津山城は、1603年に初代藩主、森忠政が13年の歳月をかけて完成させた平山城で、5層の天守を戴き櫓や城門などを合わせ80余棟が建ち並ぶ大規模な近世城郭であり、姫路城、松山城と並び、日本3大平山城に数えられているそうです。確かに建物は無いものの、城郭の規模は大きく城内の広さに驚かされました。
現在、「美作国建国1300年記念事業」が開催中で、忍者アニメNARUTOを題材に、場内では子供たちが忍者に扮してアトラクションに興じていました。
また、城下に広がる津山の古い町並みは素晴らしく、江戸時代は出雲街道の要衝として繁栄を遂げたことが偲ばれます。軒を連ねる商家群は、当時の面影を残し、未だにそのままの営業をしている文化財級の老舗の店構えも多く見られます。特に、倉敷のまち並みも有名ですが、ここ津山の町並みは、1.2kmとその長さに驚かされます。
訪れた日は猛暑で、結局、端から端までは行けませんでした。古い町並みの中でも幕末の洋学者箕作阮甫(みつくり・げんぽ)の旧宅は、当時の様子を伺い知ることができました。
その隣にある、「津山洋学資料館」は見事で、ともかく展示のクオリティの高さに感激しました。そこには、西洋医学の草分け「解体新書」に関する資料や、日本の近代化に貢献した宇田川玄随(うだがわ・げんずい)、箕作阮甫をはじめとする数多くの津山が生んだ洋学者たちの業績が豊富な資料と近代的なレイアウトでもって紹介されています。ここ津山の気質が明治維新とその後の日本の近代化に大きく貢献したことが理解できました。