戦後80年の沖縄③


旧海軍総司令部壕と米軍嘉手納基地視察をいたしました。
沖縄にて戦争と平和を考えるなかで、国家を守ることと国民を守ることの違いについて改めて己に問うた戦後80年を刻む年でありました。

旧海軍総司令部壕

旧海軍総司令部壕は、ホームページから引用すると「沖縄が本土防衛最後の砦として位置づけられ、日本の中で唯一住民を巻き込んだ地上戦が行われた場所です。日本海軍沖縄方面部隊を指揮する「海軍司令部基地」として構築されたこの壕は、激しい戦闘の末、日本海軍が組織的戦闘の終焉を迎えた場所で、ほぼ当時のまま残されている貴重な施設となっています。(中略)昭和19年(1944年) 日本海軍設営隊(山根部隊) によって掘られた司令部壕で、当時は450mあったと言われています。カマボコ型に掘り抜いた横穴をコンクリートと杭木で固め、米軍の艦砲射撃に耐え、持久戦を続けるための地下陣地で、4000人の兵が収容されていました。戦後しばらく放置されていましたが、数回に渡る遺骨収集の後、昭和45年 (1970年) 3月、観光開発事業団によって司令官室を中心に300mが復元されました。」と説明されています。
また、ここに建設された理由を「沖縄戦の際に海軍の重要な軍事拠点である小禄飛行場を守るためにここに司令部壕が作られました。この場所が選ばれたのは、「海軍の小禄飛行場に近い高台で、周辺を見渡すことのできる位置にある。見晴らしがよく戦闘に入った場合、肉眼でも敵・味方全体が掌握しやすい。通信に障害が無い」などの理由があげられます。又、海軍壕は海抜74mの丘にあり、戦時中は「74高地」と呼ばれていました。 地元では「火番森(ヒバンムイ)」と呼ばれ、王国時代は中国から来る船や異国船の来航をいち早く知るために、久米島や慶良間の島々でのろしを上げていました。慶良間でのろしが上がると、ここでものろしを上げ、いち早く首里城へ伝えた場所でもありました。那覇港に近く、海の向こうの島々が見渡せる見晴らしのよい場所だったのです。」と解説して、さらに壕の建設に際しては「海軍壕は、第226設営隊(山根部隊)によって昭和19年8月から着工、12月に完成しましたが、一説によると、大空襲があった10月10日以降に掘られ、沖縄戦の最中も未完成だったともいわれています。壕の長さですが、当時は約450メートルあったそうです。現在は約300メートルが一般に公開されています。この壕の特長は、すべて「人の手」で掘られていることです。南部には多くの自然壕がありますが、海軍壕はすべてが人工的な手作りの壕です。当時は現在のようなハイテクの機械設備もありませんから、もっぱら「つるはし」や「くわ」等によって掘られました。兵士たちが不眠不休して掘ったつるはしの一本一本の跡には、今でも当時の兵士達の苦労の跡がしのばれます。なお、この壕は当時最高機密に包まれていたため、壕掘りに住民は参加していません。地域住民がこの壕に近づいたら、兵隊に追い払われたそうです。」とあります。
 深い壕の通路を歩きながら、指令室や通信室など、それぞれの役割を負った部屋(穴の空間)を見学させて頂きましたが、日本軍の当時の指令本部が、このように作られ、実際に4000人の兵士が活動をしていた事実に驚かされました。

嘉手納基地

次に嘉手納基地を視察に参りました。「嘉手納基地爆音差止訴訟原告団」のホームページによれば「嘉手納基地は、沖縄県の本島中部にある北谷町、嘉手納町、沖縄市の2市1町にまたがり、総面積は2018年3月末現在で約19.85平方キロメートルあります。米空軍基地としては極東で最大かつ最も活発な運用がなされている飛行基地です。他の米軍基地と比べると、横田基地(東京・立川市等)が約7.1平方キロメートル、厚木基地(神奈川・綾瀬市等)が約5平方キロメートル、民間空港では国内最大と言われる羽田空港(東京・大田区等)が約15.2平方キロメートル、成田空港(千葉・成田市)が約11.4平方キロメートル、関西国際空港(大阪・泉佐野市)が約10.7平方キロメートルですから、嘉手納基地の大きさが突出したものであることが判ります。」とその規模の大きさを説明しています。確かにとてつもなく広大な敷地であることは確認することができました。と言うのも、「道の駅かでな」には、学習展示室・展望所が設けられていて、せり出した展望所からは、基地全体が一望することができるためです。さらに、学習展示室では、基地の抱える町の現実や、嘉手納町の文化や歴史も学べる展示が数多くされていて、基地の町「嘉手納町」の様子~「嘉手納町の町域面積は15.12km²ですが、面積の82%を米軍基地であることから、米軍基地分を引くと、行政区域の面積は2.72km²のため、実質日本ー小さな町ということになるのです。~」など、新たな知識と正確な情報を併せて理解することができました。