フランス出張~出発の記録

岡山大学では、千葉、森田、槇野と3代の学長が「学都」構想を掲げ、2023年度より新学長に就任予定の那須理事・副学長も「学都」構想の継続を明言しています。
組織の理念やビジョンは、トップが変わった際に、急激な時代の変化に対応しなければならないなかで、変わらずに継続すべき、決して、ぶれない経営の軸が必要であると思料します。地域総合研究センターでは、センター設立を契機として、2012年以降、10年間にわたり、岩淵泰副センター長が中心となり、フランスのストラスブールをベンチマークとして「学都」構想の研究を続けてきました。

地域総合研究センターでは、一歩一歩、地味ながら、実装できる研究と教育を実践して参ることが任務であると心得、この度、私たちのセンター設立以来、国際分野での交流を担っています岩淵泰副センター長のコーディネートにより、下記の行程でフランス出張を実施、改めて、新たな「学都」構想を継続して行くことを確認いたしました。

そのフランス出張報告を綴ります。

◇期 間:2022年11月23日(水)~12月1日(木) (9日間)
  • 11月23日(水)  岡山発ストックホルム経由パリ
  • 11月24日(木)  ストックホルムからパリ経由ストラスブール着
  • 11月25日(金) ストラスブール視察調査(ストラスブール大学訪問)
    ~政治学と市民参加 ミシェル・クベル教授
  • 11月26日(土) ストラスブール発ボルドー着
  • 11月27日(日)~29日(火) ボルドー視察調査(ボルドー大学訪問)
    ~日本人留学生担当:鈴木恵里教授、研究担当:昇地崇明教授
  • 11月30日(水)  ボルドー発パリ経由岡山
  • 12月 1日(木) 岡山着

新型コロナ渦の影響が甚大で、海外との行き来が制限されてきました。
新型コロナ渦は変異株の出現で、相変わらず感染者は増減を繰り返しているなかで、規制そのものは世界的に緩和されたことを受けて、移動が容易になってきました。
このタイミングを活かして、11月23日(水)から12月1日(木)の日程で、数年ぶりのフランスへ出張しました。その目的は、前述の通り、地域総合研究センターが開設されて以来、継続してきた「学都」研究の一環として、国際学都の都市としてベンチマークしてきた、フランスストラスブール市へ最新の動向を探ることです。
また、今回の調査では、これまで現地でヒアリングや実査を重ねてきた、ストラスブール市における公共交通システムの成長と学生への利便性の提供について、フランスも財政が厳しい状況であると言われる中で、どのようなサービスを提供しているか、また、私にとっては初めての訪問となるボルドー市との対比、そして何よりもEUやフランスが進めるSDGsの推進、環境に配慮したカーボンニュートラル社会の実現に向けた施策、新たな公共交通システムのインフラ整備について学ぶことです。
さらに岩淵先生の専門である、市民社会と政治についても、今回訪問するストラスブール大学やボルドー大学での研究者との意見交換が、訪問の大きな目的になっています。岡山大学との親交を深め、岡山大学からの留学生の様子、逆に岡山大学への留学をPRしたいと考えています。また、できることなら、ロシアとウクライナの戦争や引き続いての移民受け入れ問題、そして英国のEU離脱の影響についてもヒアリングを予定しています。

さて、急速な円安が続いていますので、羽田のみずほ銀行でユーロに両替をしたのですが、驚くべき少額のユーロしか手に入れることができませんでした。アベノミクスと異次元緩和の副作用が深刻で、ますます円安が加速することは避けられないと思料しますが、実際に商品では無くて通貨と通貨の交換で直接実感した瞬間でした。

羽田では、岩淵先生がJALのゴールドカードメンバーとあって、専用のラウンジで出発まで、ゆったりと時間調整をさせて頂きました。食事やドリンクのメニューも豊富で、すべて無料とあって、カレーライスとサラダを頂きました。岩淵先生に出発前から感謝です。
羽田からヘルシンキは、約12時間、途中の北極海あたりで大きな揺れが続き、数回、機長から大きな揺れに注意してシートベルトを締めるようアナウンスメントがありましたが、幸いなことに、乗客が少なくて、横に3つの座席を一人で利用させて頂けましたので、横になって眠ることができ、これはラッキーでした。キャビンアテンダントも日本語での対応でしたので、快適な空の旅となりました。

11月24日、フィンランドのヘルシンキ国際空港に予定より1時間以上早くに到着、ヘルシンキからパリの乗り継ぎ待ち合わせに4時間以上ありました。
北欧を代表する国です。飛行場は雪で白く、窓から大きなツララがさがっていました。もちろん空港内は快適な温度でしたので、ゆっくりとした時間を過ごしました。予想以上の飛行場の広さに驚きました。
さすがに森林王国です。待合所や空港内の随所に木がふんだんに使われています。
クリスマスが近いこともあって、クリスマス関係の飾りつけやお土産を多く目にしました。ムーミンの故郷ですので、スナフキンのミニグッズを買い求めました。

パリのシャルル・ド・ゴール空港に到着、ここからTGVでストラスブールを目指しました。ここでも乗り継ぎに時間がありましたので、カプチーノとフランスパンのサンドイッチでランチとしました。
いよいよ列車で、一路、ストラスブールを目指しました。この路線は何度通っても心を和ませてくれるのですが、延々と緑の広大な草原と畑が続きます。フランスが先進農業国を名乗る所以を感じさせてくれます。時々、小さな集落や教会のとんがった屋根が見えます。この沿線の集落とコミュニティについて、深く学んでみたいと思います。

夕方、ストラスブール駅に到着、日本から、まる1日をかけての移動となりました。