那須保友学長が開会あいさつ、基調講演は、厚生労働省医政局医事課医師等医療従事者働き方改革推進室の藤川葵室長補佐が「誰もが輝き、働きやすい医療現場を目指して~医師の働き方改革の目指す先から」と題して医療現場の働き方改革についてご講話頂きました。
次に、国が進めるデジタル田園健康特区を題材に、吉備中央町の取組みを同町デジタル田園都市推進協議会アーキテクトの岡山大学病院産科・婦人科の牧尉太講師が「エンゲージメント・コミュニティの創生から考える『理想の働きVA』~『活躍するVA』の形成に大学が関わる役割~」と題して、また、茅野市デジタル田園健康特区アーキテクトを務める諏訪中央病院の須田万勢医師が「やりがいを引き出すタスクシフトへの挑戦」と題して報告いたしました。
後半は、学生2名が活動紹介、それを受けて、前田嘉信病院長を座長、学術研究院保健学域の森恵子教授をモデレーターとして「自分らしいキャリアを築く:選択肢が広がる理想的なVAとは?」と題してパネルディスカッションが開催されました。
最後に那須学長から「私たちで創り上げる理想の働きVA(場)宣言」がされました。
は以下のとおり
私たちが目指すべき創り上げる理想の働き VA(場)とは、様々な「V」、例えば、value (価値)、 veritas(真理)、virtue(美徳)を尊重し、virtual(ヴァーチャル・デジタル) を活かし、verve(力強さ)、vigor(活力)や vividness(鮮やかさ)をもって venture(冒 険)していけるような、包摂的で多様性のある全世代が働きがいのある人間らしい仕事ができる働き場であり、これを実現します。
時代の変化にそぐわない働き方などの社会規範を若者に押し付けるのではなく、負のレガシーを遺さず、次世代の主人公である若者の声に耳を傾け尊重し、彼・彼女らの社会参画を促し、若者たちを含む誰もが、自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し具現化できる自己実現を達成できる社会を実現します。
いつまでも変わらない本質的なものを大事にしつつ、新しい変化も取り入れる「不易流 行」の精神で、私たちの普遍的な精神的支柱を守りつつも、最新のデジタル技術を取り 入れ、イノベーションの根源・社会経済の成⻑エンジンである人的資本への投資を続け、不断の努力で社会をトランスフォームし、次なる未曾有の災害・危機等に対する労働市場・社会のレジリエンス・強靭性の向上を目指します。
吉備中央町デジタル田園健康特区では、地域における限られた医療人材資源の効率的 な活用、データやデジタル技術を活用した医療労働環境の改善により、医療を含む社会 保障の持続可能性の確保、SDGsの地域レベルでの達成を目指しています。デジタルによる技術イノベーションと働き方改革や規制改革等の社会的イノベーションの有機的な融合による次世代の「働き VA(場)」のベストプラクティスとして、医療に留まらず他の産業領域にも拡げていきます。
デジタル田園健康特区に代表される岡山発の先進事例である、デジタルという技術革新と、ワーク・エンゲージメントの向上、ディーセント・ワークの推進、働き方改革などの社会規範の革新のベストミックスを、国内のみならずSDGsを目指す中低所得国においてもロールモデルとなるよう世界レベルで水平展開し、世界レベルでのSDGs達成に貢献します