高梁市の第5回となる「地域防災力向上委員会」が、8月23日、近藤隆則市長同席のもと、オンラインで開催されました。委員長をつとめる小職が、全体の進行役を担当させて頂きました。
この間、自主防災組織の設立支援等モデル地区の組成展開を中心にお手伝いを進めています。その取組状況は、成美コミュニティ推進協議会、仁賀地域自主防災会での取組を、令和2年9月10日に委員長の小職、そして環境理工学部の氏原岳人副委員長と共に現地視察及び役員との意見交換をさせて頂き、その後、令和2年10月、地域カルテの作成に着手いたし、令和2年12月6日、第1回意見聴取懇談会を開催して「自主防災の運営」をテーマに各地区の課題の洗い出しと整理を行いました。その結果を踏まえて、第2回意見聴取懇談会(成美地区は令和3年3月28日、仁賀地区は令和3年3月7日)を開催、第1回で取りまとめた課題のうち、最も意見の多かった「避難」に関する問題点を解決するための具体的な行動について検討いたしました。さらに、その結果を取組をまとめ、整理した段階で「地区防災計画」のたたき台を作成、 さらに地区防災計画の具体化に向けて、加筆修正を加えるために、第3回意見聴取懇談会(成美地区は8月1日、仁賀地区は8月8日)を開催いたしました。特に、同防災計画では「災害時の活動」を時系列に具体的な活動として「いつ」、「誰が」、「何をする」のかとのテーマで整理しました。
なお、こうしたなかで、8月14~15日の秋雨前線の長期停滞による線状降水帯の影響により、避難指示が発令され、成美地区では一部の集会所に自主避難や指定避難所の運営が実際になされたとお聞きしています。
さて、今年度のモデル地区、連絡会、防災教育などの取組のなかで抽出された課題としては、地域住民の皆様のなかでは、防災意識に大きな差があり、特に防災意識の低い人が多く、一部の人のみが地域での防災活動を行っており、防災活動に参加していない人が多い点、また、地域内の付き合いが少なくなり、隣近所や町内会内での連絡体制ができていない状況で、一つの町内会や一つの組織では活動に限界あり、他地域や組織との連携が必要である点、要支援者が把握できておらず、要支援者の避難を誰がどうやって支援するのか決まっていない点が指摘されました。その対応策としての具体的な取組内容は、防災教育、防災学習会、防災訓練などを継続的に開催し、防災に関する広報をすることで、多くの地域住民の方が防災活動に参加する機会を増やし、防災意識を高める活動を展開する。また、自主防災組織の設立及び活動支援を行い、防災をきっかけとした地域づくりを進める。さらに、導入した避難行動要支援者名簿の管理システムを活用し、市と地域などが協力して、避難に支援が必要な人を安全で確実に避難させる仕組みをつくる、方向性が示されました。
こうした活動を踏まえて、自主防災組織の設立支援等モデル地区の取組として、成美コミュニティ推進協議会と仁賀地域自主防災会では、各地区住民が主体となり現時点での地区防災計画(案)の具体的な内容について、協議・検討し、今年度中に地区防災計画策定を目指すことが、近藤隆則市長に示され、同時に市への更なる協力要請がなされました。
ようやく、自助、共助、公助の連携による、高梁市のモデルとなる地区防災計画が明確になって参りました。
会の結びで、氏原岳人副委員長から、岡山大学としてモデル計画が完成するまで、引き続き、お手伝いを継続して参ることを宣言されました。