岡山の秋 “極まる”

岡山には秋を彩る名所があります。

一番と言われるのが閑谷学校の櫂の木です。

備前市にある国の特別史跡である閑谷学校は、約300年前に岡山藩主池田光政によって創建された、庶民教育のための日本最古の藩開設の学問所です。


講堂は国宝で、孔子廟や見事な石垣など見所の多い興味深いスポットです。

また、平成27年4月の日本遺産第一号の認定に続き、平成29年4月には日本遺産第三号「きっと恋する六古窯-日本生まれ日本育ちのやきもの産地-」の構成文化財として旧閑谷学校の備前焼瓦が認定され、日本遺産ダブル認定となっています。

さて、お目当ては、孔子廟前、樹齢100年を超えると言われている2本の楷の巨木のライトアップです。

周囲は闇、そのなかで光に映し出され、孔子廟の門前に悠然とそびえたつ姿に心を奪われました。

次に訪れたのが総社市の名勝「豪渓」と雪舟修行の「宝福寺」です。


豪渓は、高梁川沿いを登り、途中から山の方へ右折、高梁川支流の槇谷川が流れ、山肌は花崗岩の台地を深く削って形作られた懸崖が見えてきます。

背後には主峰の天柱山(海抜330m)をはじめ、剣峰・雲梯峰など奇岩怪岩が天を突くようにそびえ楓の並木は真っ赤に紅葉して川面に映えます。

息をのむ光景が数百メートル続きます。


宝福寺は、総社市に生まれた室町時代の画僧雪舟が修行した寺院です。岡山県観光サイトによれば「臨済宗東福寺派の寺院で、画聖雪舟ゆかりの禅寺です。室町末期の備中兵乱で三重塔を残して消失しましたが、江戸時代以降、七堂伽藍は漸次復興されました。境内には山門・仏殿・三重塔をはじめ、経蔵・庫裡・方丈・書院・禅堂・鐘楼堂・開山堂などが配置され、禅宗様式の重厚な講造となっています。三重塔は国の重要文化財に指定されています」と紹介されています。

また、絵ばかり描いて修行を怠りがちの雪舟を禅師が方丈の柱に縛り、反省の様子を見に行ったところ、ネズミがいるのを見つけ、追い払おうとしたら、それは雪舟が自分の涙で描いたネズミであったという逸話は有名です。

紅葉は見事で、新型コロナ災禍の影響により、マスクをしながらの拝観ではありますが、そんなことを忘れさせてくれるほどの見事な景観に、心を癒してくれる時間が静かに過ぎてゆきました。