おかやまの都市とモビリティを考える勉強会

先月開催した「地方都市の創生をめざす都市交通システムを考える(11月14日ミムラブログ)を受けて、おかやまの都市とモビリティを考える勉強会(仮称)をいかに進めるべきかを話し合うためのプレ勉強会を12月22日、西川アゴラで開催しました。
おかやまの都市とモビリティを考える勉強会
ご参加頂いたのは、岡山経済同友会から松田久代表幹事(両備ホールディングス代表取締役社長)と梶谷俊介地域振興委員長(岡山トヨタ代表取締役社長)、下津井電鉄、トヨタ自動車、岡山商工会議所、岡山国道事務所、岡山県、岡山市に、岡山大学を加えたメンバーです。荒木勝岡山大学理事(社会貢献・国際担当)・副学長の挨拶で始まり、まず小職から「ストラスブールの交通まちづくり」、次に岩淵泰先生が「フランスにおける市民参加と合意形成」について、さらに梶谷地域振興委員長が、「これまでの岡山市のおける交通まちづくりの歩みと課題」について話題提供をいたしました。梶谷地域振興委員長からは、「今まで岡山市では、いろいろな取り組みがなされてきたが、他都市と比べて遅れているとの指摘があり、いろいろな試みや施策があってなかなか動いていないものを、何とか動かそうではないか」との発言をいただきました。
おかやまの都市とモビリティを考える勉強会
この会は、格式ばったものにしてしまうと議論ができなくなるので、若い人からそれなりの人、地位のある方まで集まっていただき自由に議論できる会にする点などが提案されました。また、松田代表幹事からは、「経済同友会の代表幹事と交通事業者(路面電車、バス会社、タクシー会社の経営者)という二つの顔があるため、具体的なことになると、かなり生々しい意見を持っている人間であることを前提に話をせねばならない(中略)岡山市の都市交通戦略は、平成21年に作られたものであり、かなり議論をして方向性を探っていった形跡はあるが、これが実行されているかと言えば、なかなか難しい。(中略)例えば、ヨーロッパやアメリカを見ていて、まちづくりと交通政策がうまくいっているところは、そこに住んでいる人たちは行政が何をしようとしているか、あるいは自分たちがしたいということを行政が反映しているかどうかきちんと分かっている。市民と行政の間での政策の理解度が低いところが見えない。おそらく時間をかけて話し合いをされ、首長が代わってもそういった形成がなされているのだろうといったことが見て取れる。岡山の場合を見てみると、行政がやっていることを市民がどこまで理解しているかと言えば、よく分かっていない。ましてや、業者と行政の間で合意がなされているかと言えば、なされていない。何をやっていいのかがよく分からない中でお互いが見合っている。」とした忌憚のない貴重な意見を頂戴することができました。
また、トヨタ自動車からは、「この前(11月5日)は皆さんにご協力いただき、社会実験的なデモンストレーションを岡山大学でやることができました。重ねてお礼申し上げます。あれは、超小型モビリティを売り込みたいというわけでなく、超小型モビリティをきっかけに何かできないかとの思いからです。道路空間の再配分、それから中心市街地をある程度車の流入を抑制して公共交通機関プラス自転車、あるいは超小型モビリティでエコなサスティナブルなことができないか、という一つの提案です。もちろん、超小型モビリティがすべての解決なわけではありません。私から見ると、岡山は非常にポテンシャルが高い。今一歩のところまで来ています。逆に言えば、大きな問題がないからなかなか動かせなかったのかと思います。この岡山市交通戦略は非常にきれいな絵であり、だれが見てもよくできており、教科書通り。どこからか動かして風穴を開けないといけないということで、年の差やポジションの差にあまり関係なく、良いまちをどうやって作ればよいか。最大の願いは、ぜひ地方都市のモデルになってほしいということです。他にポテンシャルの高いところで進んでいる熊本市や金沢市などありますが、岡山もこうした都市の中に名を連ね、国と政策を同一化して地方のモデルとなるようなことを考えていただくと、日本のためにもなると思います。」と熱く語ってくださいました。その他に、岡山国道事務所、岡山県、岡山商工会議所など参加いただいた皆様から貴重なアドバイスをいただくことができました。
おかやまの都市とモビリティを考える勉強会
小職が事務局の立場から「争点は分かっているので、各論では利害関係が出るのは仕方がないとしても、市民や訪れる人にとって共通の幸せを見出すことから始めたく、その辺を整理しながら議論をする場を設けるなど、いくつかの開催方法についてシミュレーションを考えて参りたい」旨を申し上げました。また、会の進め方そのものについては、「どうした方がいいのか、決めてから正式にスタートしたい」旨、さらに岡山市はじめ岡山県、国も来ていただいているなかで、提言を受け取る側にしてみると、「提言を受け取る側が提言書を作成する側と一緒では利益相反になりはしないか」との意見を踏まえて、立場的にはオブザーバー参加の方がいいかもしれない点などを申し述べました。ただし、「物事を動かすところに力点を置き、最後までやり抜く議論をする必要がある(提言で終わらせない)」点を強調させていただきました。そして、「大学は大学の立場で、経済界は経済界の立場で、交通事業者は交通事業者の立場で、行政は行政の立場で、市民やNPOなどの担い手の人たちも含め、市民参加による施策の実現を目指すための会」にさせていただきたいことを宣言させていただき閉会しました。
暮れのご多用な中をお集まりいただきました皆様方に心より御礼申しあげます。
内容のある勉強会にして参る所存ですので、ご支援・応援をよろしくお願い申し上げます。

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