九州大学マネタリーカンファレンスが開催されました

正門にて

8月8日~10日、九州大学箱崎キャンパスにて恒例のマネタリーカンファレンスが開催されました。
わが国の財政管理政策からグローバルバンクのリテール業務、米国リテール金融、米国商業銀行の経営戦略、シンガポールの対外証券投資まで幅広いテーマで熱い議論が交わされました。
その一部内容を紹介しますと、バークレーズ証券チーフエコノミストの森田京平氏が報告された「マクロの観点でとらえる日本の国債管理政策」については、学者の報告と異なり、第一線で活躍するエコノミストがみた日本の国債管理のあり方について、財政再建が不可避な状況において、長期金利の面から今日の国債の実態について、[1]企業を中心とする国内貯蓄余剰(経常収支黒字)と、[2]預貸から預証に軸を移した銀行行動の特性から説明され、さらに、現在、この持続的な経常黒字に赤信号が灯り始めた状況下で、今後、いかにして国債の信任を維持してゆくべきか、という具体的な施策論に話を展開されました。
アベノミクスや異次元緩和の功罪が問われる中での議論としては、誠に興味深い内容でした。
カンファレンス風景
小職は、拙いながら労働金庫の研究をテーマに報告させていただきました。金融審議会の委員をされている指導教官の川波洋一先生から、審議会での議論を引用いただきながら、アドバイスをいただきました。自らの報告内容のだらし無さで自己嫌悪に陥りました。毎度ながら川波先生はじめ先生方からのアドバイスには感謝の気持ちしかありません。一方で、実務家出身の小職が、はじめて学問の世界に足を踏み入れることができたのも、川波先生の門を叩き、温かく受け入れてくれたおかげであります。50歳を過ぎた手習いではありますが、なんとか論文を仕上げてみたいと思っています。

懇親会風景(右二人目が川波先生)

「多奈加」を会場にして開かれた懇親会風景(右二人目が川波先生)


さて、専門の話はさておき、会場である九州大学箱崎キャンパスは、伊都地区への移転がスタートしています。博士課程に通いはじめて、はや3年目となりました。ようやく九大生としての実感が湧いてきたのも、この箱崎キャンパスの風景が、自分の中に馴染んできたせいであると感じています。その学び舎が移転するのは残念な気持ちです。
修士課程を過ごした法政大学の本部キャンパスも、いまではボアソナードタワーなる立派な建物に変わり、今年のような夏の盛りに昔の校舎はエアコンが無く、大型の扇風機が回る中で、難解なゲームの理論やイングランド銀行史の原書講読などに悪戦苦闘した日々が蘇ります。
そこで、今回は記念写真を残すつもりで、猛暑の中、日陰伝いにキャンパスを見て回りました。特に総合研究博物館は、とても見ごたえがあり、ちょうどゾウムシの展示がされていました。昆虫の研究では北海道大学と九州大学がわが国の双璧であるとうかがいました。キャンパスを巡り、撮った写真を掲載させていただきます。
とは申せ、わが国の学問の長い歴史を刻む証人としての学び舎が消えるのは悲しい気持ちになります。
旧工学部本館(総合研究博物館)
旧工学部本館(総合研究博物館)

旧工学部本館(総合研究博物館)学府前掲示板

「ゾウムシの世界」展

特別展示「ゾウムシの世界 美と多様性」

熱帯農学研究センター

熱帯農学研究センター

夏休みで閑散とした学食

学食

夏休みで閑散とした学食にて

経済学部

経済学部

九州大学 本部第一庁舎

本部第一庁舎。こちらからこの他の写真もご覧いただけます。

[関連リンク]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)