11月26日、かねてより訪問したいと思っていた瀬戸内市にあります長島愛生園歴史館を訪ねました。晩秋の歴史館(旧事務本館)は深紅の蔦に覆われていました。
歴史館のHPによれば、「国立療養所長島愛生園は1930年(昭和5年)11月20日、日本初の国立療養所として誕生しました。当時ハンセン病は感染症ということはわかっていましたが有効な治療法がなかったため、国の政策として療養所への隔離が行われました。
1945年(昭和20年)頃特効薬ができて、やがて完全に治癒させることができるようになりましたが、隔離政策は1996年(平成8年)の「らい予防法」廃止まで続きました。
ハンセン病という病気は治っているにもかかわらず、入所者はすでに高齢化しており何らかの後遺症を有し社会復帰が困難な状況で、ほとんどが愛生園を「終の棲家」(ついのすみか)として生活されています。」とあります。
展示された写真や品々を見学し、ビデオ映像を拝見しました。明治から平成(小泉政権)まで続いた隔離政策の足跡は、あまりにも悲惨としか言いようがありません。無念の気持ちで暮らし続けている方々が、ここに今もいらっしゃいます。
美しい夕日に沈む瀬戸内の光景とは対照的に、長島愛生園の歴史はとても深い淵に心を落してゆきます。なんともやるせない気持ちでありました。
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