井原市と岡山シーガルズが包括連携協定

岡山シーガルズが、8月3日、井原市とスポーツを通じて活力ある地域社会の形成・発展と人が集まる元気な井原市の実現に寄与することを目的として包括連携協定を締結しました。締結式には井原市より大舌 勲市長、猪原 愼太郎副市長、伊藤 祐二郎教育長や担当部局、岡山シーガルズ株式会社からは 河本 昭義代表取締役、高田さゆり取締役、丸山 亜季主任、顧問としてわたくしが参加しました。

一般的に包括連携協定とは、地域が抱えている課題に対して自治体と民間企業が協力し、解決を目指す協定です。 少子高齢社会と人口減少社会が急速に進むなかで、岡山県下でも津山市の人口が10万人を割るなど、地域の活力が低下を余儀なくされる中で、地域の課題は市民の健康・福祉、子育て教育、SDGsと環境、東日本大震災、西日本豪雨災害に代表される激甚災害から命を守る防災か ら日常の交通安全、そしてまちづくりまで多岐に渡ります。
こうしたなかで自治体の財政も税収不足が顕在化する中で、民間企業が持つノウハウや最新の技術、サービスを自治体に取り入れて、地域の課題解決や市民サービスの向上に役立てようとする動きがみられることとなり、岡山県はじめ自治体も、交通安全はじめ単発のイベントへの協力要請だけでなく、積極的にシーガルズとの包括連携協定を検討するステージになったと言えます。

現在、シーガルズが優先的に使用できるアリーナの建設検討が、ようやく具体化して動き始めています。この建設に際しても、シーガルズがどのようなスタイルで、この施設を運営することができるのか、岡山市の立場では、そこでのシーガルズの活動が地域課題の解決にいかに役立つことができるのか期待を寄せてくれています。つまり、この考え方や発想が、とりもなおさず包括連携協定であり、包括連携協定の手法は官民連携事業PPP(Public Private Partnership)のひとつなのです。
今回締結された井原市と岡山シーガルズとの包括連携協定では、①子どもたちの健全な心と身体の育成、②市民の健康増進、③人権尊重思想の普及と発展、④双方の魅力発信、⑤その他地域活性化やバレーボールの振興・発展、という五つを協定の目標・ゴールに掲げ、地域が抱えている課題に対して自治体と民間企業であるシーガルズが協力し、その課題の解決を目指す協定であると理解できます。

井原市のシーガルズへの期待は、これまでクラブチームとして地域やファンに支えられながら、自らが持つプロのトップスポーツチームとしてのノウハウや世界レベルの技術、子供や社会人向け教育サービスを活かしながら、井原市の総合計画、地域創生総合戦略、教育委員会施策などの幅広な施策に、シーガルズの経験とノウハウを取り入れて、地域の課題解決や市民サービスの向上に役立てて欲しいと期待されています。
これを井原市側とシーガルズ側でポイントを整理すると、例えば下記となります。

<井原市側>
  • 複数分野にわたる事業の同時実施
  • 企業との関係強化のためのアナウンス効果の獲得
  • 新たな分野での連携や地域振興の実現
  • 企業の保有する民間の情報・ノウハウ等の多様な政策目的への活用
<岡山シーガルズ側>
  • 岡山シーガルズのCSRやSDGs活動の活性化
  • CSRやSDGs活動の充実による社会的課題に対する知識の向上やスポーツ人材育成
  • クラブチームとしての地域密着による社会的評価の向上とバレーボールの認知度向上
  • 新たな地域貢献分野の開発によるファンやスポンサー企業の獲得
  • 自治体との連携に伴う実務面と財務面での支援による経営負荷の低減

朝一に河本監督と市長応接を訪ねて、大舌市長とこれまでのいきさつを振り返り、互いに締結式を契機に力を出し合える流れを創出しようと意気込みを語り合いました。締結式では、まず井原市の大舌市長より、井原市として初めてとなるプロスポーツチームとの協定について、元気な井原市を実現するための今回の協定への期待を述べられました。続けて河本代表取締役より「岡山シーガルズの強みは、入団してから成長した選手たちが日本代表となり、またリーグでは2度の準優勝を果たした経験に裏付けられた選手の人間的な意外性や強い結束力と地域との絆、そこから新たな力が生み出されます。若い選手たちが子どもたちと感性で感じ合うふれあいを通じて、スポーツだけでなく勉学にもつながる大切な力を与えていきたいです。」と今後の取組への意気込みを語りました。
 こうして無事に協定を締結することが出来ました。