公益財団法人福武学術文化振興財団主催の「第6回瀬戸内海文化助成発表大会」が、サンポートホール高松にて開催されました。この文化助成活動は、地域の固有性と多様性をもって持続的な発展を遂げてきた瀬戸内海地域に焦点を合わせ、その「文化力」の向上と地域づくりに貢献する調査・研究活動に対して同財団が支援を行っているもので、その第6回目となる調査・研究活動の発表会でした。
▲ 北川フラム氏による講演
まず、福武總一郎同財団理事長の挨拶に続き、第1部では、特別講演として「瀬戸内国際芸術祭2013」の総合ディレクターをつとめる北川フラム氏による「瀬戸内の文化と瀬戸内国際芸術祭」と題した講演がありました。この瀬戸内国際芸術祭は瀬戸内海の島々を舞台に開催される現代アートの祭典です。北川氏は、そのコンセプトや目的・意義、そして概要について2010年に開催された内容紹介と2013年に向けた準備状況を織り交ぜながら、聴衆をいつの間にか瀬戸内国際芸術祭2013の世界にひきよせる魅力をもった熱い語りでした。プレゼンテーション資料の一部で、「岡山大学も参画予定」といった紹介を頂きました。
▲ 文化助成ポスター
そして第2部が瀬戸内海文化助成の発表でした。調査・研究の助成を受けた17名の皆さんが、一人持ち時間4分のなかで、それぞれの成果を発表されました(せめて10分の持ち時間は差し上げたいと感じました)。大学教員から郷土史家まで多彩な顔ぶれとテーマで構成され、各人の成果を持論を踏まえて専門性高く発表されました。どの発表も誠に興味深い内容であり、また、瀬戸内エリアという限定された地域をこれだけ多面的に研究する活動は、わが国にあっては貴重であると思います。
報告の詳細はポスターセッションとして夕方から報告者の皆さまによってフォローされました。僭越ながら研究者として、また、瀬戸内海に育った者として、この調査・研究活動が益々発展されることを祈念いたします。