全国から人口20万人以上の「中核市」の市長さんが、10月29日、倉敷アイビースクエアを会場として、新型コロナ災禍を吹き飛ばし、「防災に強いまちづくり」、「地域の文化観光資源を活かしたまちづくり」、をテーマとして地方創生を議論すべく、倉敷に集合いたしました。
倉敷市の紹介によれば「中核市は、平成8年に12市が移行して以来、社会情勢に対応しながら、地域の中核都市として地方分権の推進と地域の発展に大きな役割を果たしてきました。
本制度発足から20年余りを経た現在、中核市は全国で60市まで拡大し、全市の人口は約2,233万人となるなど、我が国における存在と責任は高まっています。
本格的な人口減少と高齢化を迎える我が国では、自治体が行政上の諸課題に的確に対応し、住民の暮らしと地域経済を守るための取組を進めていく必要があり、中核市は、各々の地域の中核都市として将来にわたって活力ある社会を維持していく役割が求められています。
一方で、近年、頻発・激甚化する自然災害によって、住民の尊い命や財産を失う等、各地で甚大な被害が生じています。加えて、新型コロナウイルスといった新たな感染症の脅威を受ける中、地方創生の中枢となる中核市は、持続可能なまちづくりの基盤となる防災・減災に向けた取組、地域活性化のための力強いまちづくりを早急に進めていかなければなりません。
中核市サミット2020in倉敷では、災害から「生き抜く」ためのまちづくり、そして、コロナに「打ち勝つ」観光文化のまちづくりについて、中核市の市長が一堂に会して議論を深め、その方策を全国に発信し、真の地方創生につなげてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、全国各地で様々なコンベンションの中止や延期を余儀なくされるなど、国内外における交流は停滞し、地域経済は大きな打撃を受けています。本サミット開催においては、コロナ禍を「生き抜き、打ち勝つ」一つのモデルケースとして、「新しい生活様式」を踏まえた感染拡大防止と交流促進との両立を図る新たなコンベンションの形を示してまいります。」と今回のサミット開催について紹介しています。
こうして10月29日のサミット当日は、まず『頻発・激甚化する災害から「生き抜く」ために』と題して、東京大学大学院情報学環の特任教授で日本災害情報学会会長の片田敏孝先生が、基調講演をされました。
この講演を受けまして、『災害から「生き抜く」ためのまちづくり』と題して、片田先生にコメンテーターをお願いいたし、パネリストとして、福島市、いわき市、長野市、呉市、倉敷市の5市長に登壇いただき、パネルディスカッションを実施、小職は、そのコーディネーターを担当させて頂きました。
そこでは、近年、全国各地で頻発・激甚化する自然災害により、住民の尊い命や財産を失う等、多くの中核市においても甚大な被害が生じており、被災地では、現在、一日も早い復旧・復興に向けて邁進している姿を首長自らがリレーで紹介、また、今後も地球温暖化による気候変動に伴う台風や集中豪雨の増加、さらには南海トラフ地震や直下型地震などの発生が危惧されているなか、全国各地で、地域の実情に応じて、将来にわたって活力ある社会を維持していく上での基盤となる防災・減災、国土強靭化に向けた取組について言及、加えて、新型コロナウイルス感染症の感染防止を踏まえた防災対策など新たな課題への対応についても議論がなされました。
会場へもマイクを向けさせて頂き、中核市会会長の豊田市太田稔彦市長から、平成の合併と広域防災対応の必要性について、持論をご披露頂くことが出来ました。太田市長とは、前任校が豊田市の大学であったため、10年ぶりの再会となり、懇親会でも同席させて頂き旧交を温め合いました。
こうして本パネルディスカッションでは、各中核市でのこうした取組を紹介するとともに、災害から「生き抜く」ための方策等について熟議がなされ、復興に向けた各自治体の取組と首長としての覚悟とリーダーシップが披露され、広い会場は熱気に包まれました。
また、第2会場では、『コロナに「打ち勝つ」観光文化のまちづくり』をテーマとして、コーディネーターに東洋大学大学院国際観光学部の丁野朗客員教授をお迎えいたし、コメンテーターを公益財団法人大原美術館の大原あかね理事長がつとめ、パネリストを中核市市長4名が登壇、これまで、全国の各地域では、地方創生の実現に向けて、郷土への愛着と誇りの醸成につながる町並み保存、文化財の総合的な活用、地場産品の振興などといった地域資源のブランド化や観光客の拡大につながる様々な取組を進めてきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、現在、国内外における交流は停滞し、地域経済は大きな打撃を受けており、本パネルディスカッションでは、各中核市での地域の個性と魅力の創出に向けた取組を紹介するとともに、「新しい生活様式」を踏まえたまちの魅力発信や交流拡大など地域経済の回復につなげるコロナに「打ち勝つ」ための方策等について議論がなされました。
この新型コロナ禍が懸念される中での全国規模での催事に、参加された中核市の首長の方々は、開催ホスト役を務めた倉敷市の皆さんに心からの謝辞を伝えつつ、それぞれの自治体運営のご苦労、ご腐心の気持ちを胸に、胸襟を開いて時間の許す限り語り合っていました。
小職も、前岡山県副知事でありました木幡浩福島市長はじめ、多くの市長と懇談が出来ました。
貴重な機会をお与えいただいた倉敷市伊東香織市長はじめ関係者の皆様に感謝です。