自分たちのお金が、身近な暮らしや、環境問題、困った人達を救済するために活かされるよう、地域で循環することを思考する市民が増えています。こうした社会的な要請に応えるという理由により、全国各地でNPOバンクが設立されています。そこでは、広く環境問題や少子高齢社会が抱える福祉・介護問題、過疎化対策などに関心を持つ一般市民から寄付や出資金を集め、NPO法人やワーカーズコレクティブが行う事業に融資を行い、地域のなかで資金を出資者に見える形で循環させようとしています。
今回は、内閣府が進めるソーシャルビジネスインターンシップ講座の一環として、本学では、東海地区を活動エリアとして「お金の地産地消」を目指す「コミュニティ・ユース・バンクmomo」へ学生を派遣して、学生達が直接NPOバンクの理念や活動実態を知る活動をはじめNPOとの関係を踏まえた活動を行っています。8月31日〜9月5日の間に行われた今回は現地で講師とコーディネートを担当しました。
初日(31日)は、地下鉄上前津駅で待ち合わせをして、コミュニティ・ユース・バンクmomoの事務所があるNPO法人中部リサイクル運動市民の会まで一緒に行きました。講座の受講生は経営学部の馬場英朗先生のゼミ生3名です。馬場英朗先生は公認会計士でもあり、NPO会計のわが国の第一人者で、国の審議会の委員や名古屋市の「新しい公共」に関係する委員などをつとめられています。
▲ 授業の前のボランティア活動
まず、現地で馬場先生が学生に諸注意事項を説明して、次に実際にmomoの活動を手伝いました(作業)。その後、午前中は、わが国の金融の自由化と規制緩和について、午後は企業のCSR(Corporate Social Responsibility)と社会貢献についてトヨタ自動車の資料を使って講義を行いました。
▲ 大学で労金の方の講義
また、翌日9月1日は、大学に教室を移して、協同組織金融機関である労働金庫と信用金庫の設立理念と比較しながら、その類似点と相違点を検証するために、全国労働金庫協会と東海労働金庫の方にご来学頂き、学生達が、労働金庫の社会的な存在意義について直接お話を聞く機会を提供しました。労働金庫の皆さんの熱心な講義にうたれて、学生達からも積極的に質問がなされました。
9月2日は、NPOバンクと労働金庫や信用金庫の類似性と相違点についてレポートを書いてもらいました。内容はしっかりまとめられていました。
▲ 最終日レポート
最終日の9月5日は、教室をコミュニティ・ユース・バンクmomoの事務所に戻して、実際のソーシャルビジネスについてケーススタディを行いました。普段の教室の授業を超えた、有意義な実践的な授業ができたと思います。最後にレポートを書いてもらい、コミュニティ・ユース・バンクmomoのスタッフの方と記念撮影をさせていただき、お礼を申し上げて講義を終了しました。
▲ momoに御礼して記念写真