羽ばたいた学生に思う

学生時代に下宿していた国立市一橋大学裏にある通称「ぶどう園」

入学時、大学生協が紹介してくれた、一番安い物件でした(一橋大学生協ではありません)。

回りは高級住宅街ながら、ここは別世界の農場で、当時は葡萄棚の中に安普請のアパートが並んでいました。家賃滞納には農場の手伝で免除してくれた大家さん。

6畳一間にグランドピアノを入れて、ピアノの下に寝ながら一日中練習する音大生、部屋中絵の具だらけの美大生、無農薬野菜の栽培方法を研究するおにいさん、おねえさんなど、様々な青春群像がありました。

4月4日、仕事が早く終わりましたので、久し振りに訪れてみました。

再開発されていませんが、安普請の建物は取り壊され、今風に建て替えられていました。

四国の田舎からリュックサック一つで東京へ出て、学生生活をはじめた原点の地です。

岡山大学の学生たちも、多くが東京へ旅立ちました。

それぞれの旅立ち、新しい暮らしの中で、懸命に励んでもらいたいと思います。

こうした昔の思い出を辿りながら、珍しく郵政大学校の裏門が開いており中へ入らせて頂き桜を眺め、大学通りを抜けて新入生歓迎で賑わう一橋大学のキャンパスをぶらぶら歩き、高架になった中央線のガード下に、これまた懐かしい暖簾「うなちゃん」をみつけました。

もう、無くなったとばかり思っていました。小さなカウンターだけのお店ですので、既に席は満席、香ばしいウナギの匂いが春風に乗って漂います。

夕飯は、これも昔、学生時代に通い詰めた創業昭和40年代、「スタ丼」のお店で、普通盛りが他店の超大盛くらいある定番のスタ丼を力任せにかき込みました。

青春の思い出に浸った、桜満開の国立駅界隈でのひと時でした。