岡山市下牧地区ヒアリング


岡山市北区の下牧地区、ここは地元の方が口々に「岡山市から忘れ去られた地区」と悔しそうに呟かれる旭川流域沿いにある谷あいの中山間地域集落です。岡山市農林水産課からの依頼で、現地を訪れ2時間ほどかけてヒアリングと現地視察をさせて頂きました。

岡山大学のある市中心部から車で15~20分ほどで行ける地区ながら、急速に進む高齢化や若者離れによる人口減少で、農業従事者は激減したため、何とか事態を打開しようと、地域の皆さんが話し合って「下牧農援隊」という農業を維持・守ることを目的とした組織を組成、草刈を共同で実施、また、稲作を諦めた田圃に玉ねぎを作付けして、広く耕作体験者を募り、イベントを組み合わせて、地域おこし活動を実施しています。

同行して議事録を担当した岡山市から岡山大学へ出向頂いている流尾さんのFBを引用します。

地元の方々からは、「ここの田んぼ持ってる人は90歳、去年田んぼやめたんじゃ。」、「あっちは一昨年亡くなってな。」、「かぼちゃ作っても全部イノシシが食いよる。イノシシのエサ作っとるようなもんじゃ。」、「あと5年もすりゃ農業する者おらんなるけえなんとかせんといけん。」、「授業とかなんとかで学生に来てもらえたら…」、「JR津山線の駅も近いし、玉ねぎだけじゃなくて農地の無料貸し付けなんかもしてるし、どうにかして人を呼んで、なんなら移住もして、草刈りとか田んぼとかしてほしい…」などなど。

隣接する集落には、岡山市が指定管理で運営する「牧山クラインガルテン」もあり、連携を模索することも一考かと感じましたが、いずれにせよ、自治体の支援にも限界があることから、創生については、難易度が極めて高い事案であることを実感いたしました。地域の限られた資源を組み合わせて、再生スキームを考えてみたいと思います。どこも同じ悩みですが、そのためには、駆動力の創出が最大の課題です。

地方創生とは言いながら、創生への道のりは遠い地域が全国にあると思います。