師走に忘れじの夕日

今年は新型コロナ災禍に明け暮れる1年になりそうです。

師走初日の12月1日は、仕事を終えてから海が見たくなりクルマを走らせました。

新型コロナウイルスの影響で面会が制限され、母を十分に見守れないなかでの看取りとなりました。葬儀も静かに家族で行い、お気遣い頂いた、ごく近しい方々に見守られながら逝きました。

そして初秋に、自らが東京での学会本番中に「S状結腸穿孔(急性腹膜炎)」を発症して、緊急入院、おかげさまで一命をとりとめ、現在は、校務(公務)をセーブしながら、年明けの再手術を目標にリハビリの毎日です。

瀬戸内の多島美と瀬戸大橋を背に沈む真っ赤な夕日が沈みきるまでみつめました。


そして、1年を振り返りながら、命の儚さと大切さ、そして人の思いやりの温かさを、心静かに噛みしめました。

「忘れじの 行く末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな」(新古今集)

生涯、忘れることなき、瀬戸を紅く染める初冬の夕暮れでありました。