日本地域学会 第52回年次大会in岡山大学

地方創生が全国で展開されるなかで、日本地域学会第52回全国大会が、岡山大学を会場に開催されました。その2日目(11日)、一般市民や学生にも呼びかけ、シンポジウム「地方創生と地方中核都市のまちづくり」が開催されコーディネーター役を担当しました。会場は岡山大学一般教育棟A21講義室です。

日本地域学会第52回全国大会

日本地域学会第52回全国大会

シンポジウムの趣旨を大会宣言から引用しますと「日本の総人口は2008年をピークとして減少に転じており、今後の地方圏では、人口の急速な減少が地域経済の縮小や社会生活サービスの低下を引き起こし、更なる人口減少を引き起こす「縮小スパイラル」に陥ることが懸念されている。政府は2014年12 月に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」を閣議決定し、雇用創出と人口増加の好循環による地方創生の基本方針を示したが、その実現のためには一定の人口規模を有する地方中核都市の活力維持と機能強化が不可欠である。

岡山市は、中四国の広域交通拠点に位置する地方中核都市であり、人口160万人を有する岡山都市圏の中心市として、圏域のみならず中四国全体の発展を牽引してきた。岡山市は2009年4月に全国18番目の政令指定都市に移行し、これまで順調な人口増加を達成してきたが、2020年頃には市人口が減少に転じること予測されており、新たな状況をふまえた魅力と活力あるまちづくりが求められている。特に、人口減少や高齢化が急速に進む中で、中心市街地の活力を高め、暮らしやすいコンパクトな都市づくりを進めていくことが急務である。本シンポジウムでは、岡山市をはじめとする地方中核都市が直面する課題と今後の対応策について討議するとともに、地方創生が叫ばれる中での市民協働によるまちづくりのあり方について議論を深めたい。」と謳っています。

シンポジウムでは、まず、開会挨拶を大会実行委員長である岡山大学理事(総務・企画担当)・副学長の阿部宏史先生がなされ、続いて、日本地域学会会長挨拶として、筑波大学教授の氷鉋揚四郎先生がされました。

基調講演には、岡山市都市整備局山崎康司局長がたたれました。演題は「岡山市の現状とまちづくりへの取り組み」でした。岡山市の都市政策について大局的知見からわかりやすく報告されました。

日本地域学会 第52回年次大会in岡山大学

河上理事長(左)と延原社長

日本地域学会 第52回年次大会in岡山大学

中村教授(左)と岡山副主幹

続いて、パネルディスカッション開始です。テーマは「市民協働のまちづくりによる中心市街地再生」、パネリストは、自治体から岡山市都市整備局石田尚昭審議監が「西川緑道公園界隈のまちづくり-市民協働の公園利活用-」、経済界から岡山商工会議所常議員延原正浩スポーツ支援委員長が「多様なステークホルダーによる創発のしかけ、スポーツをいかした中心市街地活性化の取り組み」、市民代表としてNPO法人タブララサ河上直美理事長が「タブララサ5つのプロジェクト」、マスコミから山陽新聞社岡山一郎論説委員会副主幹が「岡山市中心市街地活性化の潮流と今後」、研究者として岡山大学大学院社会文化科学研究科中村良平教授が「岡山大学のこれまでの取り組み」、そしてコーディネーター役を開催校として岡山大学地域総合研究センターの小職が担当いたしました。それぞれの立場で、岡山市の歩みと、現在、直面する課題、その解決策の糸口、具体的な実行策など、大いに盛り上がりました。
その後の懇親会には、岡山の地酒などが振舞われ、学会に元職である現代文化研究所(トヨタシンクタンク)時代の同僚で、今は麗澤大学経営学部准教授の阿久根優子先生が参加されており、10年振りの再会に、昔の思い出話に花が咲きました。

日本地域学会 第52回年次大会in岡山大学

懇親会にて、阿部宏史理事

日本地域学会 第52回年次大会in岡山大学

阿久根先生と記念撮影

さらに、2次会は、経済界代表として登壇頂いた(株)マルシン物流の延原正浩社長と山陽新聞社の岡山一郎論説副主幹、そして卒業生で岡山県庁勤務の脇本弘正さん、大学院生の山本尚見女史と市内へ繰り出しました。学会でのメインテーマ「地方創生」論議で盛り上がりました。

日本地域学会 第52回年次大会in岡山大学