岡山県立大学を中心大学として「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」がスタートしました。岡山大学は、委員として、社会貢献担当理事の荒木勝副学長が推進を担当しながら、他大学、自治体、経済界と共に、本事業をフォローします(小職は委員代理です)。
本事業は、「文部科学省では、平成27年度から、大学が地方公共団体や企業等と協働して、学生にとって魅力ある就職先の創出をするとともに、その地域が求める人材を養成するために必要な教育カリキュラムの改革を断行する大学の取組を支援することで、地方創生の中心となる「ひと」の地方への集積を目的として「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」を実施します。」という内容です。
具体には、まずこの事業の背景と課題は「人口減少を契機に、『人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させる』という負のスパイラルに陥ることが危惧されており、地方と東京の経済格差拡大が、東京への一極集中と若者の地方からの流出を招いており、特に、地方圏から東京圏への転入超過は、大学入学時及び大学卒業・就職時の若い世代に集中。」であるとされています。
そこで、地方の大学では、「地域の自治体や中小企業等と協働し、地域の雇用創出や学卒者の地元定着率の向上に関する計画を策定(自治体の教育振興基本計画等へ事業期間中に反映)」するとされ、COC事業の要件を満たした大学が、地域と協働し、地域を担う人材育成計画を実現するための教育改革を実行、COC推進コーディネーターを活用し、都道府県内の他大学や自治体、企業等の連携先(事業協働機関)を拡大、事業協働機関が設定した目標達成のため、大学力(教育・研究・社会貢献)を結集することが条件として促されています。
その際に、COC大学は事業協働機関に参加することが事業継続の条件であり、その支援内容は地域活性化政策を担う自治体、人材を受け入れる地域の企業や地域活性化を目的に活動するNPOや民間団体等と協働して、地方を担う人材育成に取り組む大学がCOC推進コーディネーターの活用等により、地方創生を推進・拡大する取組を支援するように条件が付けられています。
本事業の期間は5年間、「地方大学等創生5か年戦略」として、以下の3つのプランを推進することを約束します。
こうした事業のなかで、岡山大学は、園・小・中・高校で園児や生徒たちの学業や部活動、地域活動を大学生が現場へ出て支援する学校ボランティア制度の拡充を担当します。また、その制度を地域貢献全体に発展展開できるシステムの開発を担当します。
キックオフの11月27日は、岡山県立大学の辻英明学長より、「地域連携活動を中心とした地域貢献活動を推進するため、総社市、笠岡市、備前市、真庭市と包括連携協定を締結し、平成27年4月に地域連携活動を推進する組織として地域連携推進センターを設置して地域連携活動を行うことにより、こうした活動に学生を積極的に参加させ、地域貢献活動を本学の教育システムに組み込む」ことを宣言されました。また、この活動では「自治体や経済界と連携して学生を地域社会に派遣し、インターンシップやボランティア活動の実施により、地域住民と協働して各々の自治体が抱える課題との取り組みを行うことにより、地域における課題を認識し、その解決法を学習し、さらに、自立性、協働性ならびに課題解決能力を修得することにより、グローバルな視野を備えた、地域で活躍しうる人材育成を行い、地域の創生にも大きく貢献する」と挨拶されました。
続いて、岡山県立大学地域共同研究機構の渡辺富夫機構長より、「地域共同研究機構は、地域コミュニティの中核的存在として地域貢献活動の全学的な取組み強化を目的に、発足させ、この「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」を推進してゆくことを宣言されました。いくつかの質疑に対して応答がなされ、本事業は正式にキックオフいたしました。