家族で過ごす暮れ


自由生活となった2025年の暮れは、岡山の自宅で大掃除を済ませてから、少し早めに東京の拙宅へ戻りました。今年は、立川市の施設である「立川市八ヶ岳山荘」の抽選に当たり、雪景色の中で過ごす、実にリーズナブルなオフを楽しむことができました。

12月27日、朝から東京を発ち、中央道を西へと走りました。須玉ICで高速を降り、南清里の道の駅で小休止。その後、JR小海線沿いを進み、標高1,375メートルにあるJR鉄道最高地点にて、少し気の早い年越し信州蕎麦の“予行演習”と洒落込みました。
続いて、45メートル電波望遠鏡で知られる野辺山天文台を、時間をかけてゆっくりと見学させていただきました。天気は晴朗ながらも厳寒の中での見学でしたが、展示内容は実に興味深く、改めて宇宙の無限性に思いを馳せ、深い感動を覚えました。

翌28日は、朝食後にスキー場へ向かいました。孫たちは終日スキー教室で腕を磨き、その様子をしばらく眺めた後、滝沢牧場へ足を運びました。雪に覆われた牧場では、馬や牛たちがどこか誇らしげに迎えてくれます。名物のジャージー牛乳で作られたソフトクリームをいただきましたが、冬に食べるそれは、単なる美味しさを超えた、深く個性的な味わいがあり、実に乙なものでした。

その後、清里から原村方面へと八ヶ岳山麓を抜けていきました。途中、富士山が見事に望める場所があり、車を止めてしばし休憩。さらに進むと、突然、目の前に一度に8頭もの野生の鹿が現れました。猿の群れに遭遇したことはありますが、この光景にはさすがに驚きました。人や車の気配にもさほど動じず、静かに群れで行動する姿が印象に残りました。

原村は、岡山県新庄村と同じく「日本で最も美しい村」連合に参加しています。立ち寄った「八ヶ岳自然文化園」では、地元の食材を活かしたおしゃれなランチをいただきました。どの料理もレベルが高く、思わず舌鼓を打ちました。そして、何より心に残ったのが、「まるやち湖」から眺める八ヶ岳連峰の眺めです。心が洗われるとは、まさにこのことだと思える絶景でした。

帰りには「八峯苑 鹿の湯」に立ち寄り、冷えた身体を温泉でゆっくりと温めました。標高1,400メートルの散策で冷え切った身体に、湯の温もりがじんわりと染み渡ります。露天風呂にはうっすらと雪が積もり、なんとも言えない良き風情がありました。

夜は家族全員で夕食を囲み、その後はトランプ遊びに興じました。孫たちと過ごす時間は本当にあっという間で、その存在が、明日を生きる希望と活力を与えてくれることを、改めて実感しました。

最終日の12月29日は、今年の御朱印帳の締めくくりとして、日蓮宗総本山・身延山久遠寺まで足を延ばしました。前回の参拝は、両親を伴い下部温泉に宿泊した折だったと記憶しています。アルバムの写真が白黒であることから、40年近く前のことになるのでしょうが、正確な年月は定かではありません。
三門から本堂へと続く287段の石段を、青息吐息になりながら登りました。一直線に伸びる石段は、「南無妙法蓮華経」の七文字になぞらえて七区画に分けられているそうです。本堂のある境内は広く、厳粛な空気が静かに漂っていました。初詣の準備が整う境内では寒桜が満開で、一足早く迎春を祝っているかのようでした。

帰り道には、JR身延線・身延駅前の老舗和菓子店「栄昇堂」に立ち寄り、名物の「みのぶまんじゅう」を買い求めました。保存料を使わない薄皮に、控えめな甘さの餡がふんわりと包まれた、実に品のある味わいです。帰宅後、渋めの煎茶を淹れ、皆でいただきましたが、心に残る美味しさでした。

こうして、八ヶ岳山荘での二泊三日の家族旅行を無事に終え、いよいよ晦日、年越しを迎えます。
自由生活となり、第二の人生を歩み始めた今、家族と過ごす穏やかな時間に支えられながら、これからも社会との関わりを大切にし、できる仕事を一つひとつ丁寧に重ねていきたい――そんな思いを静かに新たにする年の瀬となりました。

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