岡山大学地域総合研究センターの副センター長に着任して1年になります。その主な任務は、大学と都市・地域が共同して美しい学都を創造するという「学都構想」具体化の担当です。
これは「森田ビジョン」に掲げた学都構想である『国際的な研究・教育拠点としての「美しい学都」』を創造することです。こうした活動を展開するために学都の手本としてストラスブール研究を続けてきました。
そして、地域総合研究センター設立1年の節目として、フランス・ストラスブールからお二人の識者をお招きして国際学都シンポジウムを開催いたしました。
ストラスブールは、人口約27万人でアルザス地域圏の首府で、バ=ラン県の県庁所在地となっています。ドイツ語では、シュトラースブルグと言いますが、この語源は「街道のまち」を意味します。この言葉からお分かりのように、ストラスブールは、岡山市と同じく、古くから交通の要衝として栄えた、フランス国の東北部アルザス地方を代表する拠点都市で、現在、欧州評議会、欧州人権裁判所、欧州議会の本会議場があります。中心部はライン川の支流イル川の中洲の島で、ランドマークとなっているカテドラル(ノートルダム大聖堂)やプチット=フランス地区がユネスコの世界遺産に登録されている大変に美しいまちです。
また、1994年には、トラム(LRT:ユーロトラム)が運行され、併せて歩行者専用ゾーン、ユーロトラムに合わせた景観や自転車道の整備、レンタサイクルの導入など先進的な交通まちづくりを展開しています。
さらに、ストラスブール大学は学生数4万2000人を擁し、まちの人口の約2割が大学生という、まさに学びの都です。このような都市ストラスブール市を「学都岡山」のモデル都市として考えています。
講演後は荒木勝・社会貢献・国際担当理事を進行役に、「ストラスブールのまちづくり」の著書であるヴァンソン藤井由実さんを交えて、ヘルマン氏、シルマン氏が会場の参加者と対話し、「学都」を実現させるまちづくりの方策について考えました。
司会を無事に終え大役を果たしました。閉会後、壇上にてゲストの皆さんと、森田潔学長に私たち関係者を加え、参加した学生たちと一緒に記念写真です。
また、このシンポジウムを機会に岡山の自治体や経済界との関係強化にも一役買おうと、岡山県、岡山市、岡山商工会議所を表敬訪問させていただきました。
生涯の思い出に残る地域総合研究センター開設1周年記念の事業とすることができました。
学都岡山の創生を目指します。