現在、全国で地区防災計画の策定に向けた取組みが進んでいます。
平成30年西日本豪雨災害で、岡山県内では高梁川流域の多くの自治体で甚大な被害が発生しました。
その経験を踏まえて、高梁市では本格的な地区防災計画の策定に着手しました。
岡山大学に依頼を頂き、同僚の氏原岳人先生とお手伝いを続けています。
8月1日は成美地区(旧成羽町)、8月8日は仁賀地区(旧川上町)で、それぞれ第3回目となる地区防災計画策定会議が、各コミュニティ推進協議会の主催、地域の皆様が集まり開催されました。
成美地区の特徴は、河川の沿川と山間地の両方から成り、山間地では道路の崩落があると避難経路がふさがれる地区があります。また、特定の道路は多少の雨で崩落する可能性や地すべりの危険性が指摘されている地区があります。そして、管理に不安があるため池が2か所あります。豪雨災害発生時には、成羽川の氾濫、内水氾濫、土砂災害、ため池氾濫が想定されます。平成30年7月豪雨災害では、浸水被害が、古町上ノ丁、古町中ノ丁、古町下ノ丁、新張丁、櫻町、下市大谷であり、床上浸水は20棟、床下浸水は12棟に及んでいます。
一方で、仁賀地区の特徴は、深い山間地であり、大きな河川はありません。集落が広域に点在しており、道路の崩落があると避難経路がふさがれる地区があり、高齢化率が高い集落となっています。想定される災害は土砂災害で、過去の災害では、道路崩落や土砂災害など公共土木や農地がほとんどであり、民地は家の裏が崩れた程度です。過去の記憶では、昭和23年頃の大雨では崩土により家屋倒壊と田が浸水、河川も増水し田が浸水した地区があると伝えられています。平成30年7月豪雨では、農道仁賀上大竹線で路肩崩落(片側)が2か所発生、農道 1か所で崩落による通行不能、上房地内で裏山が崩落し母屋に土砂が流入しています。
今回の防災計画では、平常時の活動、災害時の活動、震災時の活動の3つに分けて策定作業が進んでいます。
両会場では、白熱した議論が展開されました。
この計画が仕上がれば、高梁市の地区防災計画のモデル計画になる予定です。
岡山大学は、少しでも地域のお役に立てるために、お手伝いを続けて参ります。
高梁市からお土産に高梁名産の緑茶を頂戴いたしました。