「(前略)公共交通は、政府の新型コロナ感染予防対策に対する「基本的対処方針」で緊急事態宣言下でも国民の生活や経済の安定確保のために不可欠に業務を行う事業者として、休業要請の対象外になっていました。それ以上に、公共交通に携わる者として地域の足を守るという使命感に燃えて必死に歴史上稀に見る大赤字でも運行を継続しています。特に地方生活交通については、事業者が元々8割以上赤字体質であるにも関わらず、運行継続努力をひたすら続け、乗務担当社員の皆さんも、場合によっては新型コロナウイルス感染の危険にさらされ、その家族は運輸業の仕事の家庭と白い目で見られるなどの社会情勢の中で任務を果たしてくれていることに、国民の一人としても感謝にたえません。(後略)」
さらに、昨年は新型コロナ災禍の拡大を危惧して、同研究所は「公共交通経営実態調査」を実施しました。
【調査概要】
「公共交通経営実態調査」は、新型コロナ災禍により、公共交通事業は大きな経営上のマイナスの影響を受けるなか、政府は、「市民のために業務は継続してほしいが、経営上の損失についての補助はしない」との方針を打ち出し、エッセンシャルワーカーの一員として、自立経営を原則として、政府や自治体からの「支援金」等により、地域のために公共交通の業務を継続している。こうした環境の下で、公共交通事業者の経営状況を明らかにするために、民の立場から調査を実施した。」
この日は、令和3年となり、第2回目となる調査の実施、そして同研究所の新たな取組として、地域公共交通の直面する課題と将来について、最前線で活躍する有識者の方々にお願いして収録、配信する取組をスタートさせました。4月16日は、その第1回目として関西大学経済学部の宇都宮浄人教授に講師をお願いいたしました。この内容は、編集作業が完了次第、近々、研究所のHPから視聴できる予定です。宇都宮先生ご自身を交えて、収録された内容を再生しながら、感想会を行いました。
新型コロナ災禍は、いよいよ第4波の本格襲来に備えなければならない状況が現実の問題として横たわります。
いまの私たちに何ができるのか、いまこそ、このパンデミックを乗り越えられるか、正念場を迎えていると言えましょう。
われわれにはワクチン開発のような解決策の決め手を見出すことはできませんが、少しでも拡大を抑えつつ移動の確保に向けた方策を考え、そして実践する研究や活動を続けていくしかないと、全員が意を新たにいたしました。