享保17年(1732年)岡山藩主の池田継政が湯治場の設営に着手して完成させた、当時は領内唯一の湯治場。戦後、池田隆政・厚子ご夫妻の出席の元、復興開発記念式を行い、池田家のゆかりの「いで湯」として再興された、小川のせせらぎを眺めながらくつろげる、泉質は「アルカリ性単純温泉(緩和性アルカリ性微温泉)」、いわゆる「美人の湯」系のつるつるでなめらかな良質泉です。
入浴料は610円、「昭和」を感じたい方には超お勧めです。
お客様もまばらで、約30分、男湯を独占させて頂きました。
さて、小森温泉を後に、吉備中央町から山越えで津山市へ向かいました。途中で津山市桑上地区にある貴布禰神社に立ち寄り参拝いたしました。ここは、京都左京区にある貴船神社を本社に仰ぐ由緒ある神社です。貴船神社は「絵馬」発祥の神社だそうで、水と恋人(縁結び)にご利益があるとか、岡山には歴史に彩られた由緒ある神社仏閣が至る所にあります。
さて、津山市から金太郎終焉の地として知られる勝央町を経由して美作市へ抜けて、道の駅「彩々茶屋」をひやかしてから、美咲町まで戻りお気に入りの「てんしん美咲店」で遅めの昼食をとりました。そしてここ美咲町にある「柵原(たなはら)ふれあい鉱山公園」に参りました。ここは、鉱石輸送用に作られた片上鉄道の吉ケ原駅舎と操車場があった場所です。広い敷地内には、かつての鉱山の様子を学ぶことができる資料館、江戸時代に吉井川で使われた高瀬舟のレプリカ、吉ケ原駅舎、そして貨車や客車の車輌が動かせる環境を確保して展示されています。毎月第1日曜日は運転会が開催されて試乗できますが、あいにく新型コロナウィルス感染拡大防止のため、2020年6月の展示運転は中止でした。
少し汗ばみましたが、吉ケ原駅舎から線路の上を黄福棚原駅(こうふくたなはらえき)まで一駅歩いて、気分転換をいたしました。ここ黄福棚原駅は改装中で、新しい美咲町の魅力創出のスポットを目指しています。
鉄道展示館のような建物ではなくて、昔のままの線路に止められている客車や貨物車両は、周囲の里山の風景に溶け込み、車両に直接触れながら自然の中で散歩を楽しめる環境は、鉄道ファンならずとも胸に懐かしい日々の郷愁を誘ってくれます。
帰りは美咲町から山道を抜けて赤磐市経由で帰路につきました。途中、いまは是里ワインで有名な旧吉井町是里地区の山中にある宗形神社に参拝いたしました。ここも由緒ある神社のようで、石の鳥居は岡山県の重要文化財に指定されており、1453年の建立で県内3番目の古さだと門前の表札に記されています。
鳥居から山門までは枯葉がつもり鬱蒼としていて、心霊スポット的な独特の空気が漂っていました。
朝の10時過ぎに出発、岡山市~吉備中央町~津山市~勝央町~美作市~美咲町~赤磐市~岡山市という県内周遊ルートで温泉と歴史を楽しみました。
[関連リンク]