参議院議員選挙

残念ながら低調な投票率で国政選挙が終わりました。

岡山での選挙の争点のひとつが、7月豪雨災害からの復興であったため、まず讀賣新聞社が取材を申し込まれたため対応させて頂きました。選挙投票日前日の7月20日(土)の朝刊に記事が掲載されました。

取材内容の要諦は次のようなイメージです。

Q:候補者選びで注目したい点は。

どの政権が担当しようが、昨年7月の西日本豪雨のような激甚災害に対しては、まずは住民の安心安全の確保が重要だ。国がなすべき部分については、スピード感のある対応とともに、冷静さが求められる。国政に携わる政治家には、落ち着いたリーダーシップで、冷静な目で迅速に取り組んでもらいたい。
国のシステムは、中央官庁、都道府県庁、基礎自治体の3層構造になっているが、激甚災害が発生すると課題も多岐に渡り、多くの部署に関係してくる、それぞれが連携するためにも、国政の使命は大きい。

Q:地方の力が問われている。

職業の選択肢が東京にはあまりにも多く、若者がみんな東京へ行ってしまう。東京一極集中になっている国のシステムの問題で、地方だけでは人口減少は止められない。ただ、地方でいかに生き生きと暮らしていけるのか、というところは大事だ。
例えばこの岡山。豪雨災害はあったが、豊かな自然に恵まれ、晴天の日数も多く暮らしやすい。そういう魅力を感じながら、暮らしの幸せをどこに求めるのかといったところを考えたい。

Q:人口減対策には。

政策的に人口減を食い止めている先進国もある。総合的な流れの中で働き方改革も考えねばならない。
基本的に経済の理論は、人口が右肩上がりになるという前提で組み立てられている。かつては有効求人倍率の高さは景気の良さを示す指標でもあった。ところが今は逆で、求人を出しても人が来ない。
これからは従業員を大事にしなければ、企業は立ちゆかなくなる。従業員が生き生きと働く会社は持続可能になり、結果的に収益も上がる。そうした働き方改革を進めるためにも、政策への転換が必要だ。
まだ右肩上がりの時の意識で経営している経営者もいるが、通用しない社会になっていることを前提とし、国政も日本そのものの構えを抜本的に見直さねばならない。
体を張るような、本当の意味での国をどうするべきなのかという議論をもう少し深く突っ込んで、議論をしていただくような政治家に増えていただきたい。

Q:地域を活性する岡山での取り組みは。

倉敷市や総社市など高梁川流域の7市3町の連携など、取り組みは活発だ。
県内は観光資源にも恵まれており、伸び代はまだある。ただ、駅や空港などから観光地までの二次交通が悪いなど、克服しなければいけない課題は多い。地方の活性化は、今まで手をつけていないこうした課題に本気で取り組む覚悟があるかどうかという問題でもある。
岡山の場合は、豊かな自然環境の中で、持続可能な社会をどうつくっていくのかも大きなポイントだ。人と自然が共生していくことを本気で考えねばならない時代になっている。子どもや孫の代に、つけを残さないために今、何ができるのかということを考えねばならない。

Q:西日本豪雨の被災地復興には。

復興には、「住みたい」という思いがすべて。自治体の取り組みだけでは限界がある。住民から盛り上がっていくことは、絶対不可欠だ。
この初年度が大事。みんなで頑張ろうという気持ちを維持させるためにも、コミュニティー政策が重要になってくる。
以上が取材内容です。

さて、今回の選挙では、さらに岡山県と香川県での選挙の模様を、テレビせとうちの選挙速報番組「2019岡山香川参院選ライブ」に生出演させて頂く機会を得ました。また、その特番に参議院議員選挙と被災地の関係を政策面からまとめた映像を撮りたいとの申し出がありましたので、テレビせとうち佐竹明咲美アナと参議院選挙特別番組収録にご協力いたしました。

確かに立候補者により、考え方は異なりますが、岡山選挙区の重要な争点は西日本豪雨災害対応です。取材では、仮設住宅で暮らす皆さんへのインタビュー、小田川と高馬川の決壊した合流点復旧工事の確認、真備支所近くで頑張るうどん店「さるや」さんで店舗再開に向けた課題をヒアリング(ファジアーノ岡山の応援色紙発見)、そして国政へ望むことをヒアリングいたしました。また、復興の光ともいえる倉敷市真備支所隣の「パンポルト」さんが7月19日本日グランドオープンされる最終の準備の様子をプレオープンに駆けつけ、取材させて頂きました。カレーパンゲット、超特大の肉塊がゴロッと入って絶品でした。

さて、今回の岡山県選挙区では、与党石井さんは、私が岡山大学着任当時の岡山県知事で、たびたび「第3次おかやま夢づくりプラン(当時の県総合計画)」で意見交換させて頂き、大いにご指導を頂きました。また、野党原田さんは、シンポジウム『18歳からの選挙参加で明日の日本を創る』はじめ、若者の選挙参加をテーマに岡山大学でも教鞭をとって頂いており、日頃からお世話になっている方です。

本番の様子をお伝えしますと、テレビせとうちのキー局はテレビ東京(日経新聞系)であり、全国の開票の模様は池上彰氏が、軽妙な切り口で議員に切り込む番組に仕上げられていました。時刻は20時、岡山、香川では早々に当選確実が出てしまいました。スタジオでは、それを踏まえて各陣営の選挙事務所やキー局とのやりとりが続くなかで、報道部担当者から分刻み・秒刻みの指示が飛びます。その指示を受けながらアナウンサーと打ち合わせやリハーサルを重ね出番を待ちました。

私の専門は経済学であり、政治学でありませんので、素人ながら、特定政党、特に勝者、敗者に偏らないよう配慮しつつ、池上節には遠く及ばぬものの、極力、市民の目線からコメントをさせて頂きました。

19時に局へ入り、玄関の外まで女子アナ二人にお見送り頂いたのは23時をとうに過ぎていました。報道制作局長からアナウンサー、カメラさんまで、緊張感が続く中で一体感を得て、あっという間に時間が過ぎた、貴重な体験をさせて頂いた生放送出演の夜でありました。

わたしたちの国の将来を思えば、若い人たちの投票率をあげるために、大学人として何を考え、何をなすべきか、大きな宿題を頂いた参議院議員選挙でありました。