11月23日、毎月第4日曜日に開催されている、瀬戸内市長船地区「備前福岡の市」に出かけました。ここ備前福岡は、瀬戸内市長船町福岡、通称『備前福岡』で、JR赤穂線の長船駅から10分ほどの徒歩圏です。地勢的には、山陽道(国道2号線)と岡山三川である1級河川吉井川が交差する交通・流通の要所です。
瀬戸内市のHPを引用すると「中世には山陽道随一と云われた商都であり、人・物・金・情報が集う賑やかな場所でした。国宝「一遍上人絵伝」に描かれた「福岡の市」でも有名なところです。かつては備前守護が置かれた備前地域の要の地でもあり、吉井川の中州を利用して築城された福岡城の側に商業地が発展しました。今でも中世から続く整然とした広い道、防御機能が町並みの残っており、かつての繁栄を偲ぶことができます。」(中略)「備前刀は国宝の刀剣類111口のうち55口を占め、その生産量も他の地域を圧倒していました。そんな備前刀の生産の中心が『刀剣の聖地・長船』です。備前福岡には鎌倉時代に活躍した福岡一文字派と呼ばれる刀工集団がおり、天正18年(1590)の小田原攻めの際、黒田官兵衛は北条家から福岡一文字派が作った家宝の太刀「日光一文字」(国宝)などを贈られています。」(中略)「近江黒田村(現:滋賀県長浜市木之本町)から追われた黒田官兵衛の曽祖父・高政と祖父・重隆は一族を引き連れて『備前福岡』に移住し、黒田家再興の基盤を整えました。やがて黒田家は播磨に移住し、官兵衛と子・長政は大名、大大名へと発展します。黒田家にとって『備前福岡』は”礎(いしずえ)”の地なのです。慶長5年(1600)に関ヶ原の論功行賞で筑前52万石を賜った官兵衛と長政は、博多の隣に新たな城を築きます。その地に「是本を重んじ始を忘れざるの意」という思いを込めて『備前福岡』から名を取り、『福岡』と名付けました。福岡県福岡市の地名の由来はここ『備前福岡』だったのです。 ちなみに『備前福岡』の初見は永万元年(1165)です。」とあります。
実際に、妙興寺には、黒田家の墓所があり、官兵衛の祖父である重隆(NHK大河ドラマでは竜雷太が演じた)のお墓がその中心にあります。また、その墓所の数メートル先に、岡山城を築城した宇喜田秀家の祖父である宇喜多興家(直家の父:大河ドラマでは直家役を陣内孝則が演じた)のお墓もあり、この地が、古からの要地であったことが偲ばれます。
さて、備前福岡は、その大河ドラマがクライマックスを迎えることもあり、大勢の人たちで賑わっていました。地域の特産品を中心に創意工夫を凝らした逸品や自信作が続きます。
岡山市西川緑道公園で開催されている「有機生活マーケット いち」で人気のカレー店「ちゃかぽこ洞」さんをみつけ、さっそく3種盛をオーダーしました。また、天然のサトウキビで甘味を付けたソフトクリームも上品な味です。
武久顕也(たけひさあきなり)市長のお顔も見えましたし、知り合いの市議会議員さんも、収穫した地元のお米で「餅つき」実演販売をされていました。即、完売だそうです。また、妙興寺の境内では、「ふくおか官兵衛Girls」が歌とトークで会場を盛り上げていました。
楽しい時間を過ごすことができました。こうした地域の街道を利用した「市」が、多くのまちで開催されることを祈念します。
福岡の由来は『備前福岡』~黒田家「是本を重んじ始を忘れざるの意」
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