3月28日、29日、恒例の九州大学マネタリーカンファレンスが九州大学箱崎キャンパス経済学部にて開催されました。
初日のプログラムは留学生2名による報告から始まりました。夏氏による「アメリカと中国のシャドーバンキングの比較」、張氏による「国際通貨としての人民元」です。
続いて、松山大学の掛下達郎先生により「現代アメリカ大手銀行の特質分析:三大商業銀行グループによるOTDモデルの形成過程」の報告がありました。極めて完成度の高い報告内容でした。リーマンショックを越えようとする米国商業銀行のビジネスモデルを提起されました。
二日目は、バークレイズ証券チーフエコノミストの森田京平氏による「労働市場と金融市場の相互補完性」で始まりました。米国の労働市場は流動性が高く、日本の労働市場は年功型終身雇用システムのため企業と労働組合が雇用確保のため経営行動に慎重なため、アベノミクスによる景気刺激政策が効きにくい、可能性のある点が指摘されました。日本を代表するエコノミストの読みの独自性に感服です。
続いては、大和総研の取越達哉氏による「アジアのクロスボーダー証券投資と域内統合の分析」でした。シンガポール市場を中心として、日本、香港、オーストラリアの証券投資の特徴を分析されています。米国や英国、EU、そしてタクスヘブン(ケイマン、バミューダ)などとの関係性など、興味深い報告でした。
最後に小職の「労働金庫の分析」について報告させていただきました。未熟な点について、指導教官である川波洋一先生をはじめとして多くの先生方から的確なご指導を数々頂きました。博士課程3年が経ちました。九州大学の桜を眺めるのも3度目です。
また、天神で開かれた情報交換会は明るく盛り上がりました。名城大学の高山晃郎先生の准教授昇進のお祝い会を兼ねた会になりました。
▲ 右から留学生の夏君、張さん、そして川波先生