災害は忘れた頃に

気象庁の発表によりますと、1月6日午前10時18分頃、島根県東部を震源とする地震が発生しました。
鳥取県西部および島根県東部で震度5強を観測し、震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.2と推定されています。鳥取県、島根県の両県では、各地で建物などへの被害が確認されており、被害の全容が案じられます。

この報に接し、私の脳裏には、かつての地震の記憶がよみがえりました。
平成28年10月21日14時07分に発生した、鳥取県中部を震源とする地震です。このときはマグニチュード6.6を記録し、倉吉市や湯梨浜町、北栄町などで震度6弱、鳥取市鹿野町や三朝町などで震度5強の揺れが観測されました。
幸いにも人的被害については、死者・行方不明者がゼロであった一方、負傷者は重傷5人、軽傷25人にのぼりました。住家被害は、全壊12棟、半壊95棟、一部破損が1万2千棟を超え、非住家被害も50件以上に及びました。数字として並べると淡々としていますが、現地に身を置いた者として、その一つひとつが生活や研究、仕事の場であったことを思うと、決して小さな被害ではありませんでした。

三朝町にある岡山大学惑星物質研究所や職員官舎も、施設のみならず、研究機器や事務用品、住宅に至るまで大きな被害を受けました。復旧に向けた取り組みは急ピッチで進められましたが、高額な研究機器の損傷は深刻で、修復予算の確保や実際の修理には、多大な時間と労力が費やされました。現地調査に入った当時の光景は、今も忘れることができません。
今回の地震においても、被害の広がりが懸念されます。今後の余震への備え、被害状況の迅速な把握、そして可及的速やかな復旧体制の確立が、何より重要だと思料いたします。
「災害は忘れた頃にやって来る」と言われますが、まさにその通りです。

ちなみに、現在検討が進められている岡山市の新アリーナ建設構想においても、私は委員の立場から、一貫して防災拠点としての機能の重要性を訴え続けてきました。平時には賑わいの場として、そして有事には人命と地域を支える拠点として機能する——そうした視点を、これからも忘れてはならないと考えています。
被災された皆さまの安全を心より願うとともに、地域が一日も早く日常を取り戻されることを、切に祈念いたします。